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2025.09.01

外壁塗装の段取り大全|挨拶マナーと三回塗りで家を長持ちさせる方法

外壁塗装の“ご近所対応”と“正しい施工フロー”完全ガイド|挨拶から完了点検まで

外壁塗装は、家の見た目を整えるだけではなく、住まいを長く守るための大切なメンテナンスです。ただし、工事中はトラックの出入りや足場の設置音、洗浄時の水しぶき、塗料のにおいなど、近隣の方に少なからず影響が及びます。だからこそ「事前の挨拶」と「丁寧な段取り」が品質と満足度を左右します。ここでは、松下工業所が大切にしている近隣配慮の進め方と、外壁塗装の標準工程をわかりやすく解説します。

1. 近隣トラブルを防ぐ“挨拶とご案内”の基本
1-1. いつ・どこまで挨拶する?

着工の3〜7日前を目安に、両隣・向かい・裏手など、最低でも半径2〜3軒へ直接ご挨拶に伺います。角地・前面道路が狭い場合や、足場が敷地境界に近い場合は範囲を広げるのが安心です。お留守の際は挨拶状(工事案内)と担当者の連絡先をポストインし、後日あらためて訪問します。

1-2. 何を伝える?

工事件名・施主様のご住所

工事期間(予備日を含む)・作業時間(例:8:30〜17:30)

想定される影響:足場組立・解体時の音、高圧洗浄日の水しぶき、塗装時のにおい など

駐車・資材搬入の計画(道路使用に配慮)

緊急連絡先(現場責任者の携帯・会社の代表番号)

※高圧洗浄の前日には「洗濯物は室内へ」「窓を閉めてください」を再通知。においが気になる方がいらっしゃる場合は、弱溶剤・水性の選定や換気のタイミング調整もご相談します。

1-3. 小さな配慮が大きな安心に

毎日の始業・終業時のご挨拶

現場周辺の清掃の徹底

騒音作業(打診・金物調整など)は午前中〜夕方早めに集約

喫煙・私語・路駐のルール化

強風時は飛散対策を優先し、無理な作業は行わない

2. 外壁塗装の標準フロー(松下工業所の場合)
2-1. 足場計画〜組立

近隣挨拶が完了したら、仮設足場を設置します。安全帯・メッシュシートで落下・飛散を防止。狭小地は部分組み→順次展開で騒音と通行の妨げを最小化します。

2-2. 高圧洗浄(バイオ洗浄可)

外壁・付帯部の汚れ・藻・カビ・粉化した旧塗膜(チョーキング)をしっかり除去。密着不良の大半は洗浄不足が原因です。必要に応じてバイオ洗浄も併用し、微生物汚染を根本から抑えます。

2-3. 養生(ようじょう)

サッシ・玄関ドア・土間・植栽・車両など、塗料が触れてはいけない箇所を完全に保護。見え方に影響するため、直線が美しく出る貼り方にもこだわります。

2-4. 下地処理(素地調整)

金属部はケレン(研磨)+防錆下塗りで錆の進行をブロック。脆弱な旧塗膜は丁寧に除去し、素地に合わせてシーラー/フィラーを選定します。ここを端折ると、どんな高級塗料でも早期剥離の原因に。

2-5. 下地調整(補修・シーリング)

ひび割れ(クラック):微細〜構造的まで、幅に応じた材と工法で補修

目地シーリング(サイディング):打ち替えが基本。状態により増し打ちを選びます

取り合い部(サッシ・幕板・水切り等):止水と動きを両立できる材料で処置

2-6. 付帯部塗装(軒天・破風・雨樋 ほか)

軒天は防カビ・透湿性のある塗料で内部結露を抑制。破風板や樋は素材に合わせた下塗りで密着性を確保します。外壁だけでなく付帯部も整うと、住まい全体の印象が引き締まります。

2-7. 外壁の下塗り

素材と劣化度に合わせて浸透シーラーやフィラーを選定。上塗りの性能を引き出す“接着層”として、規定量・乾燥時間を厳守します。

2-8. 中塗り

上塗りと同等の仕上げ材で膜厚を確保。色や艶のムラを抑え、耐久性の土台をつくります。希釈率の管理・攪拌・塗り重ねインターバルをメーカー仕様書どおりに。

2-9. 上塗り(仕上げ)

最終仕上げ。意匠と耐候性を決める重要工程です。光の当たり方や見える角度を確認しながら、端部や見切りを丁寧に仕上げます。遮熱・低汚染・高耐候など、目的別グレードにも対応。

2-10. 養生はずし〜手直し

塗り残し・にじみ・はみ出しを入念にチェック。養生を外し、シーリング際・サッシ際のラインを整えます。足場があるうちに細部まで仕上げるのがコツ。

2-11. 足場解体・最終清掃

周辺の清掃・マナーまでが工事品質です。資材搬出の動線にも配慮し、近隣の方へご挨拶。**完了報告書(工程写真・使用塗料・保証内容)**をお渡しします。

3. 品質を左右する“3つのポイント”

下地が命
 塗装は“塗る作業”に注目が集まりがちですが、洗浄・素地調整・補修の良し悪しが寿命を大きく左右します。

乾燥時間と膜厚を守る
 早回しや強行はトラブルの元。天候と温湿度を見ながら、無理な工程はしません。

記録の透明性
 使用材料(メーカー・品番・ロット)と工程写真を残すことが、品質の裏付け。万一の不具合時も原因追跡が容易です。

4. よくある質問(FAQ)

Q. においが心配です。
A. 水性塗料・弱溶剤を中心に選定し、換気のタイミングもご案内します。敏感な方がいらっしゃる場合は、においの少ない仕様をご提案。

Q. 洗濯物は干せますか?
A. 洗浄日と塗装日は室内干しをお願いしています。前日に再通知します。

Q. 工期の目安は?
A. 30坪前後で約2〜3週間(天候により前後)。無理な短縮はせず、品質最優先で進めます。

5. まとめ|気持ちのよい挨拶と丁寧な工程が“長持ち”をつくる

外壁塗装は、近隣配慮×正しい工程×記録の透明性で品質が決まります。
事前の挨拶で不安を取り除き、洗浄・下地・三回塗りを基本に、目的に合った塗料を適切な条件で施工する。最後に丁寧なチェックと報告で、安心して暮らせる住まいが整います。

松下工業所は、ご近所様へのご挨拶から完了清掃までを“工事の一部”と考え、見た目も中身も長持ちする塗装をご提供します。
「具体的な工程表が見たい」「近隣対応の案内状サンプルが欲しい」など、どうぞお気軽にご相談ください。次の10年を安心にする塗り替え計画をご一緒につくります